理念共有とリーダーの覚悟
- 藤井 浩行
- 2020年7月4日
- 読了時間: 2分
先日、研修で関わらせていただいているF社に訪問しました。 F社はここ数年、社員教育に力を入れてきました。 外部で学ぶことはもちろん、自社内でも独自に理念浸透研修を続けてきました。 ここまで徹底している会社は、なかなかないと思います。 社員への理念共有が、どれほどの価値を持っているかをトップである社長が十分理解していて、企業における最大の投資は人材育成であることをコミットしているようです。 企業経営者の中には、社員教育をコストと見ている人が居るように感じます。 だから会社の業績や、経済環境の変化によって社員教育に関してブレることがありますが、F社に関しては環境がどんなに変わっても(コロナであっても)その姿勢には一分のブレもありません。 リーダーである社長の覚悟が違うのです。

10年ほど前からおつきあいさせていただいていますが、その当時フリーターでアルバイトをやっていた人たちが、今では責任をもって一つの部署を経営していて、会社規模も5倍くらいになっていると思われます。 特にここ6年ほど、社内研修に力を入れてきました。社長自らが理念を伝え続けてきました。そして毎日の仕事を通して理念を探究してきました。 素晴らしいと感じるのは、概念的な理念を実務を通して浸透しているところです。 つまり日常の業務に理念が「生きている」のです。 行動指針 1.私たちは、いつでもお客さまを第一に考えて行動します。 実はこれ、㈱かんぽ生命保険 5つの行動指針の一番目の文言です。 ご存じの通り昨年末、不適正な販売で金融庁より行政処分を受けています。 ここ数年、上場企業、有名企業の不誠実な事件が多発しています。 品質検査データの改ざん、性能の詐称、財務資料の改ざんなどなど。 それらの企業の経営理念、行動指針を見ると例外なく立派な言葉が並んでいます。 しかしそれは「生きて」いなかったのでしょうね。 立派な額の中に納まったまま、ホコリをかぶっていたのでしょう。 F社の経営理念は生きているのです。 それは日常の業務を、経営理念を通してふりかえることを何年間も繰り返してきた結果です。 社員教育と言うのは、形式的な研修にあるのではなく、日常業務の中にあるのです。 そのことを今回は、まざまざと思い知らされた感じがします。 僕は、その一端をサポートする役割ですが、社員教育に最大の影響力を持つのは間違いなく経営者であり上司です。 リーダーの生き方が社員を力づけていきます。
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