「力づけ合う会議」
- 藤井 浩行
- 2023年5月13日
- 読了時間: 2分
先日、ある企業の会議に参加させていただきました。
一般的な部署ごとの会議とか経営会議とは違う会議体で、「グループミーティング」と呼んでいます。
そこで扱うのは、自分自身が「課題」と認識しているものです。
ランダムに構成されたメンバーが部署や専門性に関係なくグループになって、お互いをサポートし力づけ合うというものです。
具体的なアドバイスをするというよりも、質問、提案、フィードバックによって、本人が自分で気づくことでアクションを選択してコミットするというものです。
当然、上司と部下が同じグループになる可能性もあるのですが、上司が部下に意見やアドバイスを押しつけると言うようなことは起こりません。
大前提として、お互いは「対等の立場」であることが了解されているのです。

「力づけ合う会議」は決して「仲良しグループ」ではないので、時には厳しいフィードバックなどもありますが、それが愛情や信頼から来ていることが感じられるので険悪な雰囲気や暗い感じになることはありません。
「その人のために」という貢献が、その前提になっているのです。
なので、どっちが正しくて、どっちが間違っている、、、という議論にはなりません。
真逆の意見があっても、それを選ぶのは本人です。
「その人のために役立つ」ものはすべて正しいのです。
また床(前提)に「安心・安全」(心理的安全性)があるので、発言(シェア)は率直です。
そのため、短時間でも効果的な結果を生むことができます。
その「場」に働く影響力の事をノーム(暗黙の了解)と言っていますが「オープン、誠実、主体性」といったノームが働いていることが感じ取れます。
この企業が信念を持って長年かかって育んできた「風土」です。
そのプロセスを間近で見て来た僕ですが、その取り組みには尊敬し感動させられます。
社員同士が愛情と信頼で結ばれ、Win-Winの関係性を創っています。
これはお客様に対応するときの「在り方」にも現れることでしょう。
一般的な会議でよく見受けられるのは、参加者が自分のために発言するということです。
「自分の意見を通すため」「自分を守るため」「自分を有利にするため」などなど。
「グループミーティング」(力づけ合う会議)では、課題を抱えているその人のための発言(シェア)をします。
そこには「承認」と「貢献」があります。そのような「場」は、とてもパワフルです。
この企業がこれまで取り組んできたキーワードをあげるとしたら以下の点でしょうか。
・企業理念の明確化と浸透(価値観の共通認識)
・顧客本位組織創り
・人としての「在り方」を大切にする
・ストロークの実践(コミュニケーションを大切にする)
・相手のために貢献する
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