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父母のこと

最近、縁の深い大切な二人の人を亡くしました。

お一人は60歳、もうお一人は90歳近く。

人は、自分が死ぬ時を自分で決めているとは言うけど、いつも思うのは「突然」ということ。

どこかで分かってはいるけど、「まだ来ない」と根拠なく思い込んでいる。


僕の父母は、父が85歳、母が83歳。

2019年日本人の平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳なので、だいぶいいところまで来ました(笑)

父母との人間関係が良くなったのは、ここ数年です。

母とは5年ほど前から、父とは2年くらい前から。

それまでは、一緒にいるとストレスばかりでした。



母との関係がぎくしゃくし始めたのは、小学生の時からでした。

母は心配症で自分勝手(独善的)です。

僕が大切にしている事や、興味を持っていることをことごとく打ち砕くような人でした。

自分が正しいと思う子供にしたかったのだと思います。

なので、母にはずーっと反抗していたように思います。

父とぎくしゃくし始めたのは僕が22歳くらいの時からです。

超有名企業に就職した弟のことが誇らしく嬉しかったのでしょう。

僕と会うたびに、自慢げに弟の話ばかりします。

久しぶりに田舎に帰っても、そんななので、自然と実家には寄り付かなくなりました。

22歳ぐらいの時から、結婚する32歳まで、一度も家に帰らなかったかもしれません。

電話も年に1回かそこらだったと思います。

会ったり話したりすると不快感だけなので、「接しない」ことを選択していました。

さすがに僕が結婚するときは連絡を取って、結婚式に参加してもらいましたが(その頃「自分が源泉」に出会って、いろいろと思うところもあって)、

以前に比べたら関係性は良くなったもののその後はまたやりとりがなくなりました。

僕が父母を許していなかったからです。

父との関係はその後も悪化しました。

僕が45歳くらいの時に、父が用事で上京したことがあります。

その頃僕は、年商6億円の会社の社長をやっていて、やっと人並みになったと思っている頃でした。

奥さんを40歳で亡くしていて、それを乗り越えてやってきたという自負がありました。そして心のどこかでは父母のためという思いもありました。

だから「がんばったな」くらいの一言を期待していました。

でも全くそんなことはありませんでした。

弟の事は喜んでも、僕が創った成果については喜んでくれないんだと、大きな失望を感じました。

それからまた疎遠になりました。

15年ほど前の事です。


5年ほど前に母との関係が、2年ほど前に父との関係が改善しました。

それはこんなことがあったらからです。

5年ほど前、母との間で小学生時代の事がフラッシュバックするような出来事がありました。

僕の意向を尊重せずに勝手なことをしたのです。

客観的には小さなことだし、母は善意から行ったことでしたが、小学生時代から抑え込んでいた不満が噴き出しました。

自分自身が傷ついたいくつかの出来事を具体的に伝えて、その時の気持ちを伝えました。

声もだいぶ大きくなっていたと思います。

そうしたら母は、そのようの出来事を一つも覚えていませんでした(笑)

だけど、「ごめん」と小さな声で言ってくれました。

そしてその時思ったのは、謝ってほしかったわけではないと言うことでした。


父との関係が改善したのはここ2年くらいのことです。

2年前に帰省した時、外食する機会がありました。

母との関係のように、どこかのタイミングで自分の気持ちを伝えて「完了」したいという思いは常々あったので、酒が入ったこともあり、思い切って伝えることにしました。

いざ伝えるとなると、こんな小さな、ささいなことで大の大人が悲しんでいるとか怒っているという事は恥ずかしいという思いにもなりましたが、伝えました。

「自分の事も承認してほしかった。今も怒っている」と。

父親の反応は「そんなこと言うなよぉ」でした(笑)


それっきり、そういう話はしません。

しかし、自分自身の中で「完了」が起こったようです。

その後は、親と接することはストレスではなくなりました。良い意味で、何も期待しなくなりました。

そして素晴らしく良好な関係を続けています。

僕自身が本当の意味で、親への依存なく自立したのだと思います。


今思うと、僕は親に何かをしてほしかったわけではなかったのです。

ただ、自分の中にある「未完了」を「完了」するだけでよかったのです。

「言いたくても言わないでいた事」をただ「伝える」だけでよかったのです。

相手の問題ではなく、自分の問題だったのです。


父母との関係性の改善がされていて良かったと思います。

今年の5月、父が胃がんの手術をしました。

軽い状況で、今ではピンピン元気で過ごしています。

とは言え、いつかは会えなくなります。

僕が明日生きている保証さえないのですから。


だからこそ「完了」していてよかったと心から思えるのです。

「完了」してから父母との関係性は「豊か」になりました。

その分、自分自身の人生が「豊か」になりました。


おとといは、僕の還暦の誕生日でした。

60年前、僕の母親が帝王切開をして命懸けで僕を生んだ日です。

父母がいなければ今の自分はありません。

父母を否定することは、自分自身をも否定することになります。

父母の存在を認めることは、自分自身の存在を認めることでもあるなぁと思います。

 
 
 

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