映画「二宮金次郎」
- 藤井 浩行
- 2019年9月8日
- 読了時間: 2分
ここ20数年、映画館で映画を観ることはなかったのですが、久しぶりに映画館に行ってきました。それも老舗の、有楽町の「スバル座」。聞くところによるとこの10月20日で閉館とのこと。半世紀以上の歴史に幕を下ろすことになるそうです。そんなタイミングで、歴史ある素晴らしい劇場の雰囲気を味わえたことは貴重な体験として有難いことでした。

映画は「二宮金次郎」。小田原の「尊徳記念館」に訪問したことをフェイスブックでシェアしたところ、こんな映画があるよって教えてくれた大切な友人がいました。案内を見てみると9月8日~10日の三日間の上映とのこと、またまたシンクロニシティが起こったと感じました。なので、すぐに行くと決めて今日行ってきたのです。
初日ということもあり、五十嵐監督と主演の合田さんの舞台挨拶があり、ますます幸運でした。映画について映画では語られない背景を聴くことができて良かったです。監督の言葉で「映画なのでフィクションの部分もあるんです」ということでしたが、映画は素晴らしいものでした。2時間の映画で尊徳さんの深さを語り尽くすには無理がありますが、それでも物語として素晴らしい完成度だと思いました。
尊徳思想の大切な概念である「一円融合」が物語の中で分かりやすく伝えられています。それに映像からでないと感じられない迫力のようなものもあり、尊徳さんを立体的に理解する助けにもなりました。映画を観て改めて感じたのは、厳しい身分制度のあったあの時代に仕事自体を認められ、一農民が国の重要な事業に関わり、民衆の力を借りながら立て直していったり、民衆の意識変革までやったのは、まさに革命ともいえる出来事だったのだと思います。
もっとも感動したのは「百姓」であることに誇りをもっていることです。貧しさや、質素な生活や身分の低いことを全く負い目に感じていません。きっと本物の尊徳さんもそうだったのでしょう。時代や世の中の価値観を超越して、自立し精神的に自由な人だったのだと思います。「あなたはどう生きるのだ」と問われているようです。 また「一円融合」について「人生のすべては一切の無駄がない。すべてが円の中」というイメージが頭に浮かびました。これまでの人生経験を活かして、どのように世の中に貢献していくのか。試されているようです。
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