価値前提経営
- 藤井 浩行
- 2022年9月5日
- 読了時間: 2分
今年、「茨城経営品質賞大賞」を受賞した「ヴィオーラ」(https://www.viola.co.jp/)さんというレンタルおしぼりの企業があります。
経営幹部の方々とは10年ほど前から懇意にさせていただいていますが、不断の努力で年々企業価値を上げて来られたと感じます。その長年の継続した取り組みを見るにつけ、いつも尊敬を感じます。
機会があって「経営品質活動報告書」の要約版を頂戴しました。

その中に「組織能力の向上」という一節がありますが、そこではスタッフが主体的に行動し、お客様に価値を提供することの大切さが記されています。そして、そのための環境と仕組みへの取り組みということで以下の3つが挙げられています。
1.スタッフが自分の意見を聴いてくれるという土壌がある
2.昨年より成長したという成長の実感がある
3.会社が自分のことを大切にしてくれているという実感がある
1、3は、正に「心理的安全性」のことを言っています。
「心理的安全性」は、google社の調査により組織の生産性向上に大きく影響する中核的な条件として挙げられています。
また「幸福学」(慶応大学 前野教授)では、自己成長を幸福の第1因子。良好な人間関係を幸福の第2因子。楽観性を幸福の第3因子と言っていますが、上記の2は第1因子、3は第2因子、第3因子と関連があるように思われます。
ちなみに第4因子は、自分らしさの因子なのですが、このような組織であれば、安心して自分らしく居る事もできるでしょう。
そして心理学者ディーナーの研究によれば、幸福な社員はそうでない社員と比較して、創造力で3倍、生産性において31%高くなるとのことです。
これまでの経緯から考えると、ヴィオーラさんでは経営をするにあたって、これらの理論や研究結果を知っていて経営施策にしているわけではないと思います。
当会社の企業テーマは「成長と幸せを実感できる会社」です。そして目指すのは「日本一社員が幸せなおしぼり会社」です。これは、もうかれこれ10年前に現社長がたどり着いたビジョンでした。
「社員が幸せになる」というビジョンを純粋に目指し、実直に活動してきた結果として、そういう組織になってきたということなのだと思います。
これが「価値前提経営」「理念経営」なのだと思います。
経営の「在り方」が素晴らしいからこそ効果的な「やり方」がついてきた、ということなのでしょう。
「やり方」は表面的に簡単に真似られても「在り方」を真似るのは至難の業です。
だからこそ、それが「独自性」として最大の強みなのだと思います。
「在り方」を優れた「やり方」に昇華させているお手本として、学ばせてもらっています。
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