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ストロークのコップ

心理学の一分野に「交流分析」があります。

比較的わかりやすい考え方で、とても優れた理論だと僕は考えています。


大切な概念の一つに「ストローク」があります。

「自己または他者の存在を認める働きかけ」と定義づけられます。

ストロークは人間の成長に大きく影響を与えるもので、健全な成長を促すためには、存在を肯定的に認めるプラスのストロークが重要です。

反対の概念として、存在を値引いたり無視するような「ディスカウント」があります。

誤解を恐れずに、デフォルメして表現するとストロークは「愛」とか「愛ある働きかけ」と言えると思います。

昨今、ビジネス界で話題になっている「組織の心理的安全性」とは、❝肯定的なストローク交換が活発な場❞でもあると言うことができると思います。



一般的にストロークが十分にある人は幸福や満足感を感じ、ストロークが満たされない人は憂鬱な気分に浸っているようです。

その状態を「ストロークのコップ」で表現することがあります。

私たち一人一人が「ストロークのコップ」を持っていて、このコップがストロークで満たされていたら幸せな状態ですが、ストロークが枯渇して空きが生まれると、その空きをどうにかして埋めようとするのです。

「ストロークは心の食べ物」と言われますが、人はストロークなしでは生きられないんですね。


どのようにして空きを埋めるかというと、ストロークは「存在を認める」ことですから、他者に自分の存在を認めてもらうために、自己存在をアピールすることになります。

「一緒に遊ぼう」とコミュニケーションをとったり、抱き着いて甘えてみたりということです。

それが正当な方法であれば良いのですが、時としてそうでない場合があります。

人の関心を引くために問題行動を起こすような場合です。青少年の非行なども、その一例です。

もちろん本人は無意識に行っているので、ストロークを欲しているなどとは意識していません。

寂しいとか、人恋しいという感情は起こっているかもしれませんが。

歪んだ形でストロークを要求して一時的に関心を得ることに成功したとしても、それを継続的に満たすことはできないでしょう。

間もなく、またストロークの飢餓状態になるものと思われます。


ストロークのコップを満たすには二つの方法があります。

それは、前述のように他者からストロークをもらうということと、もう一つは自らが自分の「ストロークのコップ」を満たすということです。

僕が理想としているのは「ストロークのコップを100%自分で満たす」ことです。

何も、極度のナルシストになって、自己愛の塊になるということではありません。

誰の評価も気にすることなく、自分自身へのゆるぎない信頼を持ち、自分を大切にし、価値ある存在と認めている状態です。

これは「千万人と雖も我往かん」の心意気です。

自己肯定感と言い換えることもできるでしょう。

そして、そのような生き方ができていたら、自然と他者からのストロークも集まると思います。


ストロークのコップを自ら満たすために役立つのが、「パーソナル理念」であり「ポジティブ10」です。

自分の特長を活かし、存在理由を生きていることで「自分はOK」であることを認識することができるからです。

それが自分へのストロークとなるのです。


コップにストロークが不足しているように感じる人には、ストロークを与えてあげてください。

その力づけがパワーとなって、その人はきっと元気になるでしょう。

そして自分へのストロークが返ってくるかもしれません。

健全なストローク交換はお互いを力づけあい、これがチーム全体に広がると「心理的安全性」を形成し、チームの生産性を上げるものと思います。

もっとも身近な組織は家族です。

プラスのストロークが満ちあふれた家庭を創りたいものです。



 
 
 

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