「フォーカシング・イリュージョン」
- 藤井 浩行
- 2021年12月10日
- 読了時間: 2分

「フォーカシング・イリュージョン」という言葉があります。
アメリカの心理学者・行動経済学者で、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが提唱したものです。イリュージョン(幻想)にフォーカスする。つまり間違った方向に焦点を当て、それを目指してしまうという意味です。「自分が~の状態になったら幸せになれるはず」という思い込みでもあります。
僕も以前は「お金がたくさんあったら幸せになれるはず」「社会的地位が高ければ幸せになれるはず」と信じていましたが、本当の幸せ(僕にとっての)はそこにはないことに気づきました。(もちろん収入も社会的地位も低いよりは高いに越したことはありませんが)
カーネマンの研究によると「感情的幸福」は年収7万5千ドルまでは収入に比例して増大するのに対して、それを超えると比例しなくなるということです。「お金があればあるほど幸せを感じる」ということではないようです。にも拘わらず、私たちはお金に限らずモノや社会的地位など他者との比較優位で満足を得る「地位財」を、もっともっとと際限なく求めてしまう傾向にあるようです。
「フォーカシング・イリュージョン」は社会的、教育的、文化的な側面から創られていくように思います。
親の影響、人との関りからの影響、学校などでの教育の影響、マスコミや宣伝などの情報、、、。それらから「あの大学に入ったら幸せになる」「年収が2000万円になったら幸せになる」「あの車に乗れたら幸せになる」「あんな家に住んだら幸せになる」「あのブランドを着たら幸せになる」「あんな美味しいものが食べられたら幸せになる」「結婚したら幸せになる」、、、というイリュージョンを育てていきます。
(眞子さんは「皇室を出たら幸せになれる」というイリュージョンを育んだかもしれません)
自分自身の価値観と言うよりは、巷にあふれる情報に振り回されているようです。
日本人の「生活満足度と一人当たり実質GDPの推移」という統計があります。(https://toyokeizai.net/articles/-/353274?page=3)このグラフで実質GDPは50年間で6倍になっているのに、生活満足度は横ばいになっています。
物が豊富になり、生活は便利になり、娯楽も増えているはずなのに、幸せに繋がるであろう生活満足度は上がっていないのです。
「幸せ」は、自分自身の「外のコト」というよりは「内のコト」と言えるのではないかと思います。
内面的、主観的に「幸せな自分」をどのように創造するか、、、それが大事と考えます。
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●2021年12月18日(土)に「幸せ感性力」ZOOMセミナーを行います。
https://www.motivationfarm.com/%E5%B9%B8%E3%81%9B%E6%84%9F%E6%80%A7%E5%8A%9B-%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC
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